limited edition

Since1995-Forever                 

此処からいなくならないで

11月1日



3回目のアンコールで出てきた彼らが話し出そうとした時
音楽が流れ始めた


戸惑う6人と、きた・・!と身を乗り出す私達


プライズを行う事は最初から知っていた
だけど、何が行われるのか知らされてはいなかった
ただ、みんなでリボンにメッセージを書いてV6に贈るのだと
彼らをビックリさせたいから、絶対にSNS等では流さないでと
それだけを聞かされていた


札幌で初めてそのリボンを見た時に
リボンじゃなくて紙テープじゃないか・・と思った
これを一体どうするのだろう?
お星様や唇の時のように、ボードに貼るの・・?
一抹の不安と疑問を抱きつつ
ちょっと心許ないリボンと言う名の小さな赤と白の紙テープに
それでも私たちは精一杯の想いを込めて
メッセージを書いた


回収BOXは各会場で、特設テントの中にあったけれど
メッセージを書くための長テーブルは普通に外に出されていたから
私達は残暑の中、或いは初秋の少し冷たい空気の中
6人を思いながら、それぞれに言葉を綴ったのだ


会場では、音楽と同時にスクリーンにメッセージが流れ始めた
私の席からスクリーンの文字は見辛かったけれど
でも、いよいよサプライズが始まるのだという事は分かった


流れていたのは


一生で最後の恋


これ以上の選曲があるのか私は知らない
私達は20年間も彼らだけを思い続けてきたのだ


『さあV6の皆さん 準備はいいですか?』


合図のメッセージが流れた瞬間


ふわぁっ…と
無数の赤と白のリボンが舞い上がった


驚くメンバーを客席の歓声が包む


座り込んでスクリーンのメッセージを読んでいたメンバーが次々と立ち上がり
無数のリボンのシャワーを見上げ、歓声をあげた


数えきれない想いが
リボンに乗って6人を包み込んでいく


嬉しそうに落ちてくるリボンを手に取っては
そこに書かれたメッセージを読むメンバーの中



森田さんはひとり
ぽつんと座ってた



立ち上がる事も忘れたように
両手を膝に置き
じっと
舞い上がるリボンを見上げていた



まるで
彼の廻りだけ時が止まってしまったかのように


やがて自分の足に落ちたリボンをそっと拾い上げると
その小さなリボンを大事に大事に両手で持ち
じっとメッセージを読み始めた


読み終わると足の上にそっとリボンを置き
また、自分の上に落ちてきたリボンを手に取り
項垂れたように俯きながら
じっとそこに書かれたメッセージを読んでいた


客席に背を向けたまま
少しでも動いたら
溢れた涙がこぼれ落ちてしまうとでも言うように
丁寧に乗せられ足の上に並んだリボン



やがて
ゆっくりと立ち上がり客席の方を向いた彼は
目を細め、唇を少しだけ歪めて
照れくさそうに笑った


それはまるで
泣くことを必死に堪える子供のようで



小さな小さなリボンに託した
私達のささやかな想いと願い



ずっと6人でいてくれてありがとう
私たちを幸せにしてくれてありがとう


どれほど彼らに救われただろう


自分の人生にはみんながいて
みんなの人生にはV6がいて


そう言ってくれて
どんなに嬉しかったか


だからどうぞこれからもずっと
6人で
V6で
居続けて下さい


そして


此処からいなくならないで
いつまでも、私たちの前にいて下さい


それが
小さな無数のリボンに込められた
私たちの願い



親愛なるV6様
20周年おめでとうございます


これからもどうぞ6人で幸せに笑っていてください


まりもり。