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ビニールの城 初日!

こんにちは。まりもりです。


ビニールの城

遂に遂に・・!
初日でございました!

無事の開幕、おめでとうございます!

私達観客の万感の思いは、何度も何度も続いたカーテンコールとスタンディングオベーションに乗せて
キャストは勿論のこと、蜷川さんにもきっと届いていたと思います。

素晴らしい舞台でした。

以下、ネタバレは無いと思いますが、念のため隠します。




2016年8月6日
19:00開演
シアターコクーン

『ビニールの城』


並んだセット、静寂の中に微かに響く鈴(風鈴?)の音。

戯曲を読んでいたのでストーリーは頭に入っていたし、最初から朝顔は森田さん、モモは宮沢りえちゃん、夕一を荒川良々さんで読んでたので違和感は全く無くて。

『出だしの3分が勝負』とは蜷川さんの言葉のようだけど、今回は『出だしの8分』が勝負らしい。

とにかく、初っ端から溢れ出す詩のような言葉の世界に全身全霊で観客も向き合わなければ、きっと何がなんだか分からなくなって確実に置いていかれてしまうのだろうと思う。


確かにアングラ演劇なのかもしれない。

けれど、蜷川さんは毒々しく禍々しい世界の真ん中に、煌めくほどに純真で無垢な魂を持つ人間を置いた。

舞台での宮沢りえちゃんを観たのは初めてだったけど、明らかに異次元を生きている感覚。
ガラス細工のように透明で繊細な身体と、そこから溢れる無垢なエネルギーは目が眩むほどに真っ白に輝いていて、淀みなくどこまでも澄んだ美しい声が、波動のように響いてくる。
それはそれは余りにも美し過ぎて、どこか滑稽にすら見える。

それは森田さんも同じだ。

か細い身体からは想像出来ない、爆発するようなエネルギーを持っていて。
自分に正直に生き、傷付き孤独を抱えた心はだからこそ、けがれる事を決して寄せ付けない。
囁くような声は繊細だけれども枯れる事なく私達の心に染み入って来る。
何より、ナイフのように鋭利なその姿は、時に子供のようにけなげにも見える。

蜷川さんがこの作品に2人を呼んだ理由はもう知る事は出来ない。

けれど、舞台に立つ2人を観ていると分かるような気がする。

孤高であるが故の孤独を敢えて受け入れ戦うように見える二人は、まるで似ていないのにどこか似ている。

私が蜷川さんに御礼を言いたかったのはまさにそこだ。
(たんなるオタが御礼を言うっていうのもおかしな話だけれど)

世の森田剛のイメージのままに、野ネズミのようにいじけた姿で隅っこの方にいた森田さんの、真綿にくるむように大切に隠された透明な魂を見つけ出して下さったこと。
そしてその孤独な魂の叫びを惜しみなく表現することを求めて下さったこと。

台本と言う名の沢山の美しい言葉に、隠れていた様々な森田さんがどんどん引き出される姿を見る事が出来る私達がどれほど幸せかということ。


2時間5分の美しい世界。


初日からここまで心を揺さぶられた舞台が千秋楽を迎える時。
森田剛はどこまでいっているのだろう。


その日が本当に楽しみです。




まりもり。




















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